0番染色体

科学は全世界を照らす光である

ブログ移行しました

もう1ヶ月ほど前のことですが,新しいブログ『ラング・ラグー』を開設しました.ブログ移行の理由は新しいブログの最初の記事で既に述べてあるので,ここでは省略します.

この『0番染色体』も開設から2年間運営してきました.一部の記事ははてなブックマークでホットエントリーに入るなど,当初私が予想していたよりも遥かに多くの方々に読んでいただけたようです.私は特にビュー稼ぎのためにブログをやっているわけでも,有名ブロガーになりたいわけでもないですが,やはり記事を書いている身としては,これは端的に嬉しいことでした.

当ブログおよびそのコンテンツは,過去ログを残すという意味において(はてなブログのサービスが終了しない限りは)これからも現状のまま公開しておくことにしようと思います.一方で,当ブログが今後更新される見込みはありません.

最後になりましたが,2年間当ブログをご覧いただいて本当にありがとうございました.今後も最初に言及した新ブログや Twitter での活動は続けていくつもりなので,そちらはどうぞよろしくお願いします.

素数探索はじめました

筆者が VPS(Virtual Private Server)を利用するようになって,半年以上が経ちました.しかし,個人サイトをホストする他は,ごく稀に実行に時間のかかるプログラムを動かす目的でしか利用していなかったため,利用開始以来の平均 CPU 使用率がほぼ0%といえる状態が続いているのが実情でした.

それではあまりにもったいないということで,先月から GIMPS という素数の探索を目的とする分散コンピューティングプロジェクトに参加し,筆者の利用していない「余った」リソースで,現代科学の発展に貢献しています.

本稿では,まず分散コンピューティングの概念や GIMPS というプロジェクトについて簡単に解説し,その上で VPS を用いて具体的にどのようにすれば GIMPS に参加できるのかという知見を共有したいと思います.

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ぼくのかんがえたさいきょうの相互参照 on LaTeX

LaTeX には文書中に出てくる章番号や式・図表の番号など “連番” の登場する箇所に \label 命令でラベリングを行い,これを別の箇所から \ref 命令で参照する相互参照機能が備わっています.これは大変便利な機能で,数式の美しさと並んで「LaTeX のよいところ」としてよく取り上げられます.

しかし,そんな LaTeX の相互参照も使っていると(特に大きな文書を作成する際に)少々面倒さを感じる場面があります.一つは「文書内で一意性のあるラベル名を考えること」です.見出し・式・図表など文書内に登場するあらゆる番号に,何とも被らないラベル名をいちいち考えるのは案外骨が折れます.章ごとに異なる人が執筆を担当しているというような場合にも,ラベル名の衝突を防ぐには何らかの工夫が必要になります.

あるいは複数のラベル箇所を参照したい場合に何度も \ref 命令を並べて書かなければならないケースがあり得ます.式番号に (1) のような括弧をつける書式を利用している場合など,周辺の決まった書式や記号をいちいち入力するのは冗長ですし,それらをベタ打ちしていると,例えば原稿を書き上げてから式番号に括弧を付けない方針に転換した場合などに修正がとても煩雑です.

そこで,LaTeX オリジナルの相互参照機能を拡張して名前空間やスコープといった概念を導入し,さらに参照する番号の種類ごとに書式を柔軟にカスタマイズ可能とするパッケージを作ってみました.

github.com

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新しい ShiftIt のご紹介

今回は できる Mac OS X Advent Calendar 2015 の11日目の記事として投稿しています.昨日は turusuke氏 でした.明日も turusuke氏 の予定です.

Mac 用の画面分割アプリ ShiftIt をご紹介します.と言っても,既に丁寧に解説してくれている記事があります.

qiita.com

新規インストールに必要なことはすべて書かれているので,特に補足すべき新情報はありません.

……じゃあなぜ,こんな記事を書いてるのか? それは新しい ShiftIt の情報に対して古い ShiftIt の情報が多すぎて,前者が埋もれてしまっているからです.それも,記事自体が古いものは仕方ないわけですが,比較的最近書かれた記事であるにもかかわらず古い情報を提供しているアレな記事が複数あることに気付いてしまったので,こうして「新しい情報」を増やす必要があると感じました.

ということで,本稿では最新版の ShiftIt のインストール方法と諸注意,および古いバージョンを用いるとどのような不利益があるのかということについて述べていきたいと思います.

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